おばちゃん柔道始めました@スリランカ

48才のおばちゃんが黒帯目指して四苦八苦する様子を恥ずかしながらしたためています。かなりヘタレなおばちゃんですが励ましていただけたらより頑張れる気がいたします。

気分は超アスリート

12月の初めに中指を突き指して倍くらいに腫れていると書きましたが3ヶ月経った今もまだ腫れていてまっすぐに伸ばすことやしっかり曲げることができません。骨に異常はなし、靭帯も切れてる形跡なしということで、関節がずれてそのまま固まった模様。先生に紹介してもらってスポーツ省直属のスポーツ医学クリニックに行っています。日本でいうと超一流アスリートが訪れるスポーツ科学センターのような感じか?全国レベルの大会の出場経験者を対象にしているようで私も受付でしっかり記入してきました。棚ぼたでもなんでも一応西部州57kg級代表ですから🤣 待合室で待っていると、ええ体した若者やすご〜く背の高い一団(ネットボール代表でした)と出くわしました。こんなところに白髪も染め忘れた東洋人のおばちゃんが座っていることにワラけてきましたが、みなの体型を見て競技がなんなのか想像して楽しんでました。診察の後、理学療法に回されて目から鱗!療法士さんが肘の近くの筋をキュッとつまむと、あらま不思議曲がらなかった中指が曲がるではないですか!そのあと銀の魔法のスパチュラで肘の方から指へと筋を少しずつマッサージでほぐしていくと曲げ伸ばしがだいぶと楽になるのです。問題はそれが持続しないことなんですよね。時間が経つとまた固まる。これから8回の治療スケジュール中に落ち着いてくれたらいいのですが…

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出稽古的な…

とにかく乱取り、それもタイプの違ういろんな選手とだ!ということで、いつもとは別の連隊の練習に参加させてもらいました、出稽古です!この連隊は人数も多く私サイズの男子が沢山います。足払いを多用してくる人(私いとも簡単にやられます😓) 、奥襟大好きな人、寛平ちゃんみたいな構えの人😆  相手に反応してるだけで自分で動かしたり、仕掛けたり、組み立てたり全く頭になかったなあ…結局いなされ続けて何もできず超消化不良でしたが、いつもと違う選手と練習ができて勉強になりました。ありがとうございました。次はもう少し進化していたいです。

とにかく立て続けに8人ぐらいと対戦したでしょうか… 一人終わって一回休みにしたかったけれど、なにせたくさん選手がいるので先生が次々に相手をあてがってくれるのです。まさに最後はぼろ雑巾状態でした。そんな真っ白な頭の時に「バテた?」と聞かれ、先週50歳になったばかりで浮かれていた私は「そらそやでえ〜おばちゃん50やで!」と何自慢かわからんことを呟いてしまい、「嘘や〜マジで〜」というある種のドン引き反応が伝播していき練習を止めてしまうほどの衝撃だったようです。自分のオカンと一緒くらいの年齢のおばちゃんがぼろ雑巾状態で若者に食らいついているなんぞ想像できないんでしょうな。日本ではママさんバレーとかテニスで汗を流すご婦人(義姉がそう)、そしてフルマラソンごいごい走ってる同年代またはそれ以上の人たくさんいるので、私もそんな感じなんだけどなあ〜

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どえらい柔道愛を見つけてしまいました。アシャーンくんの背中…彫ってます。

 

 

陸軍柔道大会観戦記

連隊対抗陸軍柔道大会がありました。チームメイトにとってはかなり重要な大会らしくおばちゃんも応援に行って参りました。会場は軍キャンプ内のため部外者立ち入り不可…薄っすいコネを繋ぎまくってようやく許可証ゲット!資格はアシスタントコーチになってました😅ここも入り口なんだよと示されたゲートから正門まで街二つ分くらい離れていてかなり広大なキャンプでした。ここも同じスリランカかと思うほど完璧に整備されていてゴミはもちろん落ち葉一つ落ちていません。会場となる体育館も立派で…お手洗いがこれまた感動、こちらのお手洗いは水浸しが常ですが一滴も落ちてません、やればできるんやんスリランカ

新人戦から始まり熱戦は1週間続きました。チームメイトが公式戦に出るのを見るのは初めてです。力が入るわあ〜やっぱり…練習ではいつも面倒みてもらってばかりですが自分の子供でもおかしくない年頃の彼ら、この日はもう親の心境で見てました。(あかんあかんアシスタントコーチやった…) 選手紹介のとき所属連隊と階級もアナウンスされます、軍人さんなんやと再認識。かなりいい試合が多くてゴールデンスコア(延長戦)続きで皆よくやったと思います。最後は気持ちの強い方が勝つ、まさにそんな試合ばかりでした。試合を見ることも見取り稽古と言って練習なんだそうです。1週間めいいっぱい見取り稽古をして来ましたよ。今の組手ならどう攻めよう…ほう〜そういう攻め方もありなのね…など色々考えながら見てました。そして度肝を抜かれたのが彼らの身体能力です、エゲツない。きれいに投げ技が決まったあ〜と思いきや空中で体位を入れ替えて足から着地て…ありえへん、ニャンコ先生か?その体勢でその技はどないにして⁇というのもたくさん見ました。そして1週間通してけが人ナシ、軍医さんがスタンバイしていましたが一度もお世話になっていませんでした。これも鍛えているからこそなんでしょうね。毎週どこか痛めてるおばちゃんとは訳が違う(歳も違う🤣)

さて、最終日…なにか様子が違います。赤絨毯、色とりどりの連隊旗、そしてキラキラしたバッジを軍服いっぱいにつけた恰幅のいいおっちゃん達がわっさわっさ…。最終日の決勝戦と表彰式のために幹部が集まっているというわけです。いつもと様子が違うのでキョロキョロしていると全身真っ白のエスコート君が案内してくれたのでついて行くと、冷房がよく効いたガラス張りのVIP観覧エリア、わたし以外みな緑の軍服。どこ案内してくれとんね〜ん!視線が痛いという経験を初めてしました。ちょっと視線が落ち着いてからそそくさとドロンし、紅一点ならぬ老一点、選手席に入れてもらいました。我が連隊は個人戦では3位に入ったチャンディマル君が最上位、団体戦は3位決定戦で惜しくも負けてしまいとっても残念でした(S先生おかんむりで大荒れ) 表彰式ではバグパイプ隊に先導されて幹部入場、アンソニー!いつもはヘラヘラしている子たちの上官の前での美しい敬礼。さすが軍隊、シャッキーッとしてたわあ、すべてにおいて。

1週間ずっと闘志あふれる対戦を見ていたのでおばちゃんもなんだか戦闘モードにスイッチが入りました。チームメイトが休暇から戻るまでこのスイッチをオンの状態に保ちつつ、一人トレーニングに励み練習再開に備えたいと思います。

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回しきる!刈りきる!密着!

2020年オリンピックイヤーになりましたね。今年は私にとっても初段への道の正念場、けがに気をつけながら(アリにも!)しっかりやっていきたいと思います。

昨年末からなるべく練習を詰めて詰めていくようになってから日々の課題を次の日に改善実行できていい感じです。前回のアリ騒動でだいぶと迷惑をかけたチームメイトたちですが、このおばちゃんはほっとけないという老人介護的な感覚が芽生えたようで今まで以上にとても親切にアドバイスなどをしてくれ居心地もよくなってきました。

練習は試合前の追い込みにはいっているのでしんどいこと満載でした。打ち込みもスピード重視で毎回脈をはかり合計脈拍数から年齢を引いた値が90以下ならまだまだできると判断されとっちめられます。私は若いころから激しい運動をしても脈が上がりにくい上、それから年齢を引いちゃったら…90以上になるわけがありません。汗ダラダラでフラフラなので手を抜いてません!としっかりアピールできたのでお仕置きは免れました。その後3人一組で2分、1分半、1分の打ち込みサーキットトレーニング。一番バッターのサンカ君が2本目終わりでフラフラし始め道場の隅で吐いているのを見て、おばちゃん顔面蒼白になりました。マジで?マジで?次わたし行くの?と皆に聞いてまわるも間髪入れず答えはYES…。始まる前からちびりそうになってたけれど最後は泳ぐようにフィニッシュ。かなり不細工でしたがやり終えました。

最後に乱取りです、当面の大きなテーマはタイトルにもあるように「回しきる!」「刈りきる!」そして「密着!」です。技をかけてもなかなか決まり切らない原因のひとつが上半身のひねりが足りない(もしくは皆無)ということに気づきました。足さばきばかりに気がいって上半身のひねりがおろそかになっているので技が決まらないのでは?という分析です。大外や大内などの刈り技ももっと勢いよくシュパーッと相手の足を刈りきらなければ決まるものも決まらないと考えました。あと、相手と密着すると反対に投げられるのではないかなどと考えていましたが、相手と密着して空間をなくして自由を奪ったうえでないと技って決まらないんだなということが先生によるデモンストレーションで納得したのでした。できていないことはまだまだたくさんあるけれどどの技にも共通するこの3点を当面の課題として取り組みたいと思います。

そして今日のイタタタタですが、平川くんとの乱取り中に彼の頭蓋骨が私の耳寄りの頬骨にカーン!とあたり頭から星が飛び散り口の中は切れ血液の味がしました。家に帰るとビンタを張られたように腫れあがり翌日内出血…青い。口を開けてモグモグが痛い、でも食べた。一番痛いのは不意に出る大あくび、まあいつか治るでしょ。

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また棚ぼたです😅西部州代表で全国大会に行った者に柔道着購入代として7,500ルピーが支給されました。申し訳ない……

厄年はとうに過ぎたはずなのに

 ようやく骨折が治りました!最後はもう藁にもすがる思いで苦手なアーユルヴェーダ治療にも通い何やら呪文を唱えられながら臭っさいオイルまみれで過ごしました。

そして練習再開の日、またもや危機が訪れたのです、それも人生最大の!なんと火アリに噛まれアナフィラキシーショックに陥り、意識不明で病院へ運ばれたのでした。あんなちっちゃいヤツに命を奪われそうになったなんて。アナフィラキシーショックとはアレルギー反応の最悪の状態で手遅れになると死に至ります。その日は久しぶりの練習の日、少しは緊張していたもののウキウキしながら道場へ。水道を止められているのでお隣の国立競技場でお手洗いを借りて道場へ帰る途中、腰のあたりに激痛が!何かに噛まれたと察知したものの道中パンツに手を入れてゴソゴソするわけにもいかず、ヤツをつまみ出すことができないまま小走りで道場へ帰りました。道場へ上がったところでもうすでに手足顔は赤く腫れあがりかゆいのか痛いのかわからないしびれが体を襲ってきました。常備している抗ヒスタミンを飲むもおさまらず、そうこうしているうちに頭が回り始め嘔吐、そして意識を失い病院送りとなりました。市場で米を運ぶようなどう見ても人間用でない手押し車のようなものに乗せられ救急治療室に運ばれ、看護師が「血圧、低っく!ヤバッ」と言っているのがかすかに聞こえました。失神時にとなりにいた柔道のS先生によるとフラフラして崩れるように倒れ、しろ目をむいて痙攣し奇妙な呼吸をしていたそうです。「おまえ、ゾンビみたいだったぞ、ビデオに撮っといたらよかったわ」と言われました。丸一日入院し数値が正常に戻り退院しました。

その後2日ほど家で休養し、今度こそ本当に練習を再開しました。案の定アップでバテてしまいましたが柔道ができる幸せでいっぱいでした。今までは年齢も年齢なので中一日か二日あけての練習でしたが柔道ができるうれしさのど真ん中にいた私は調子に乗って「できるだけ詰めて行こう!」などと決心してしまいました。昇段試験で対戦するのは毎日クラブ活動で厳しい練習をしている中学生、おばちゃんがのらりくらり練習していては勝てるわけがない。無謀とも思われる決心をし4日連続で練習に行ってきました。ずっと体中が痛く家に帰って一旦横になると起き上がれない状態が続きましたが、3日目くらいからは慣れてきて、よし!このまま体が慣れてくれれば大丈夫そうという感触をつかみました。殴られ続ければだんだん痛みを感じなくなるでしょう?それそれ、その作戦です。とにかく練習をして自信をつけたいです。

骨折、アナフィラキシー、そして現在は突き指で中指が2倍くらいに腫れています。厄年か?と思うほど厄介なことが次々に起こっていますが、がまんです。チームメイトはいま南アジア大会や陸軍の大会に行っていて練習がお休みです。その間にとりあえず中指の腫れをなんとかして完全復帰したいと思います。次回の昇段試験まで約半年スパートかけます。次回からは練習のことをいろいろお伝えできればいいなと思っています。

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1階に住む犬一家(父不明) 大雨で1階が浸水したため母犬が子供だけを2階に避難させていました。道場の床下に仮住まい中です。

全国大会へ…(見学😢)

棚ぼたの一勝で州代表になり全国大会に行く予定だったのですが、その4日前の練習で足指骨折🤕 痛み止め打ってテーピングでガチガチにして出るべきか、全国の猛者にやられて薬指が粉砕するのがオチか…試合の1週間前からは試合形式の乱取りはやるなと言われていたにも関わらず、膝打撲でずっと乱取りを休んでいたので指示に反して試合前にちょっと乱取りしてみてこの始末です。もちろん先生には大目玉を食らい出るべきか否かを相談すると「勝手にせい!」ええ〜😨死者に鞭打つとはこのことか…いやいや自業自得… S先生には「ビビりが余計ビビって何もできないで帰ってくるだけや、止めとけ!」は、はい…。という訳で心の葛藤がかなりありましたが棄権いたしました。

しかしながら州対抗なのでチームメイトのことも気になり、そして来年また挑戦するかも知れないと思うと、いてもたってもいられなくなり見学に行くことにしました。スポーツ大臣の地元とかでコロンボから200キロ、車で5時間半かかるド田舎(失礼)まで車を飛ばして行きました。初日に全階級計量があるので3日目に試合の人も初日に乗り込んで計量を済ませ練習場も何にもない所でひたすら自分の試合を待つようです。現地までの足と宿、食事は州政府が持ってくれて、表彰式で小切手をもらっていたので賞金も出るんですね。そういえばうちの連隊からも8人ほど出ていましたが試合前最後の練習の時にS先生が出場する選手だけ残れといって集合させました。試合前の過ごし方や試合に向けてのアドバイスがあるかと思いきや…第一声が「よく聞けよ、盗難めちゃめちゃあるぞ!財布はもちろん携帯、Tシャツ、靴、何でもやられるぞ!充電器も持っていかれる!貴重品は抱いて寝ろよ」でした。どんな強豪よりもドロボウ怖いわ。

さて試合会場はどうかというと、小劇場のような建物で一階席を取っ払ってマットを敷いている感じでした。ビデオ判定用のモニターや電光掲示板もありおおっという感じでした。(さすが全国大会!) 試合の感想はジュリー(審判委員)がこれでもかというくらいに試合をよく止めます(畳の外に座っていて判定に疑問があると意見する人です。) 流れも途切れるし体も冷えるし、どうにかならないかと思ったのでした。また勝者のあからさまな歓喜の表現は相手に対して礼を欠くとして良しとされませんが、そないに喜ばんでも…という場面がしばしば…日本人の私はちょっと見てられん。英語解説のグランドスラムのビデオを見ていて喜びを表さない日本人選手に対して「なんだあのドヤ顔」と揶揄している解説者を見たことがあります。柔道は「道」なんだけどなあ〜。でも試合前に先生がこんなことも言ってました、「全国大会で勝てば昇進できる、転勤の希望が通る!子供を有名校に入れられる、君たちの人生が大きく変わることを意識して臨め!」と… そりゃ、あんな喜びようにもなるわな。

今回は非常に情けないケガによる棄権となりましたが、できるトレーニングをしながらまずは骨折を治し、また一からの気持ちで稽古します。(ガンバレわたし!)

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試合会場、こんな感じでした。(舞台上から撮影)

歌うたえ!って…ちょっと

ニューおばちゃん始動から数週間がたちました…日本での収穫が本当に大きかったと実感しています。実は背負い投げが大の苦手でした。柔道を始めてこの1年半、上手く決まったことが1度もありませんでした。しかーし!日本で背負い投げの打ち込みをちょっと褒められ、コツのようなことをいくつか日本語で教えてもらえたことでなんとなくこういうことなのかと気づく場面が増え、乱取りでも時々できるようになりました。とにかく苦手意識がなくなったことが一番の収穫です。背負い投げ以外でも日本の先生に教えて頂いたことがこちらの練習の中で一つ一つコレや!コレか!と頭の中でクリックされている感じがして現在練習充実中です。

練習充実中!なんて書きましたが…実はスリランカで練習を再開した1日目は試合の恐怖から立ち直っておらず、乱取りが怖くて逃げてしまいました😥 畳の外でチームメイトの練習を見ていると皆ふらふらでも先生にケツを蹴られながらも食らいついていっている…それに比べて私は何なんだ!何やってるんだ!と大いに反省したのでした。そして私が試合や乱取りに抱いている恐怖とは実は恐怖ではなく別のものであることが判明したのでした。それについては恥を忍んで次回に告白したいと思います。

最後に今日は何でも豪快S先生の連隊での練習でした。練習の最後にS先生が皆を集めて車座に座らせました。練習終わりのミーティングは若い軍人男子に向けた訓話のため、いつもはおばちゃんは帰っていいと言われるのですが今日はお前も入れと…何が始まるのやらとキョロキョロしていたらS先生が「誰か歌うたえ!」というのです。そして「お前、うまいやろ」と言ってA君を指名しました。指名された途端ためらうことなく歌い始めましたよー、ビックリ! そしてそれに続いて他のみんなも歌い出したよー、ダブルでビックリ!おまけにこちらの人が呑んだらよくやるエアー太鼓も始まったあ!曲は人生のはかなさをねっとり歌い上げた悲しげな歌だった(選曲ミスやん) この状況に笑いが止まらん…でもみんな真顔や…余計おもろい。でも待てよ、これ私もいつかは指名がくるのか?日本の曲にしようか…いやいやそしたら1人で歌う羽目になる。皆が知ってるこっちの歌のレパートリーとりあえず増やしておこう…。ちなみに歌を歌わせるS先生の意図は最後まで不明のままだった。

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道場の壁にこんなのがありましたよ。スリランカ柔道連盟のマークでしょうか…左の人の足は何処に…