おばちゃん柔道始めました@スリランカ

48才のおばちゃんが黒帯目指して四苦八苦する様子を恥ずかしながらしたためています。かなりヘタレなおばちゃんですが励ましていただけたらより頑張れる気がいたします。

ニューおばちゃん始動ですう!

約2ヶ月に及んだ日本滞在から戻り練習が再開しております。少し遅くなりましたが、今年も柔道着の寄付をして頂いた方々にまずはお礼を申し上げます。帰国時にスリランカで昔大変お世話になった70代の空手有段者の元上司の方とお話をしていて、「汗と涙、青春を共にした道着と帯はどうしても処分できずに今でも大事にとってあるんだよねー」とおっしゃっていたのを聞いたとき、ああ、寄付して頂いたこれらの道着は単なる不要になったものではなく、皆さんの努力や思いがいっぱい詰まった貴重なものなんだなと改めて思い涙が出そうになりました。志あるスリランカの若者に着てもらいたいと思います。本当にありがとうございました。

ひょんなことから日本で昇段試験を受けて玉砕したわけですが、いつかは初段を取りたいから来年こそは!という明確な目標ができてよかったと思っています。目標が定まったら逆算して足りないものを計画的に身につけていく、練習では基礎の反復はもちろんですが実戦形式の乱取りをより多くやるつもりです。自主練としては今までサボりがちだったスタミナ強化ランニングやります!筋トレもちゃんと下半身もやります!どんなに飲んで遅く帰ってきてもメイクをしっかり落として腹筋をしてから寝ると言ってたシルク姉さんを見習います。(吉本の美容番長です) これらをサボることなくやり通す事が精神修行にもなるんじゃないかと…(今回かなりメンタルに問題があることもわかったし😂)

さあ、ニューおばちゃん始動いたします!

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昇段試験 「試合」編

実は試合がとっても怖いのです。しかしいつかは通らなきゃならない道、意を決して昇段試験の試合を申し込みに行きました。受付の人がマジか?という顔をされたのを見て「しまった!」と思いましたが後の祭り…申し込んだら急に恐怖が襲ってきて、こんなに真面目な私が練習をサボって一人ショッピングセンターを徘徊、逃げたい、怖い、情けない…更年期も相まって涙が止まらなくなりました。フードコートで隣に座った母親が低学年くらいの娘に「100点取れって言わないよ、がんばることが大事なの」と言ってるのが聞こえ自分に言われているように感じ再びダダ泣きです。どうしたんだ私!家に帰っても友人に泣きごとメイルを送って困らせてしまいました。友人や先生からのアドバイスを幾度となく読み返し、数日後、重い腰を上げて練習に行って知らないことをたくさん教えてもらっているうちにやらなきゃモードが徐々に高まっていきました。←単純。

試合当日は最初に形の審査があったので余計なことを考える間もなく試合へと進んでいきました。しかしながら当然緊張MAX、学校やクラブ単位で参加している人は顧問の先生やコーチが付いていますが一匹オバはんの私は一人でワナワナしていました。そこへいつも良くしてくださる事務所の方が登場、「みな下手くそ、きれいになんか決まらない。とにかく転がして抑え込みや!」と言っていただいた。結果は2勝1敗、無念な結果となりましたが、このアドバイスでかなり落ち着くことができました。

1試合目は小柄な中学生を背負い投げで一本勝ち、前半技ありを取られて抑え込まれかけたので危なかったです。2試合目は柔道着がめちゃめちゃサマになっている中学生に開始5秒も経たないうちに大内刈りで負け、後頭部強打…星が飛んだ🌟 3試合目は中途半端な袖釣り込み腰だったけど相手が倒れてくれて、そのまま袈裟固めで勝利。1勝すら出来ずに終わるのだろう何事も経験!という気持ちで臨んだので不合格ながら2勝もしたのでちょっとした満足感もありました。次週にも別地区の昇段試合があるとのこと、もしかしてという期待を抱いてそれにもまた申し込んでしまいました。次週失意のどん底に叩き落とされようとはこの時は想像もついていませんでした…

2回目の昇段試合…前回勝ち点があるので以後の試合は3戦のうち2勝すれば合格です。1試合目は不戦勝でした。今日はついているかも?あと1勝で初段だ!…完全に浮き足立っていました。対戦相手を観察…見なきゃよかった…もう貫禄十分で気の強そうな中学生2人、お察しの通りこの2人ともに瞬殺されました。ビビって焦って自滅した感も大いにありましたが完全なる力不足、試合数も練習量も技術も全てにおいて…子供が入院中で病院に寝泊まりしている中での試合、更年期障害で指10本がかじかみ、めまいがする中での試合、自分をなぐさめる理由をいっぱい考えてみましたが関係なーい‼︎ もしかしていけるかもって考えてたわたしバカー!前回の2勝は完ぺき「ま•ぐ•れ」だったと思い知らされました。今は落ち着いてまた一からやり直そうという気持ちになっていますが(本当はまだちょっと引きずってま〜す) 当日の頭の中は、来年まで体が持つわけがない、ムリだー、もういいよー、やめちゃおっか…そして応援してくれる皆のことを思うとまた涙がおんおんとあふれ止まらなくなりました。←これも更年期のせいよ多分。あんなに毎日見てた柔道ビデオも拒絶してました。スリランカの先生は「あきらめるな、来年は準備をしっかりして送り出してやる」と言ってくれました。やるしかないのか……やるしかないのだ。まずは何から始めればいいのか…

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昇段試験「形」編

タイトルを見て”なんのこっちゃ“と思われたはず…でも本当に受けちゃったのだ昇段試験😓全く予定していなかったのですが初段を目指していると知った講道館の職員の方が受け身ができるんだったら「形」だけでも受けたら?と言っていただいたのです。昇段試験はその「形」と「試合で3勝」この2つをクリアしなければなりません。試合は実力的にまだまだですが先生に“受けてみたら?”と言って頂いたので受けてみることにしました。(たぶん語尾にはダメ元でって付いていたと思います。)

初段は投の形9つが課題です。土曜日に講習が半日あり翌日の昇段試合の前に形の審査がありました。事前にいろんな方々にお聞きしたところ"講習出てれば大丈夫!" “心配無用、誰でも受かる"って言うんですが、もう全く未知の世界なのでyoutubeで何十回いや100回以上は見て頭に叩き込みました。形は作法というか流儀のようなものがあってバレエの振り付けを覚える要領で覚えていきました。(驚くなかれ5才からずっとバレエをしておりましたのよ)

大丈夫と言われても予習して行ってよかったあ〜。記憶力も低下しているので半日の講習だけでは覚えきれなっかったと思います。右か左かさえ緊張で分からなくなってしまうんです。それとパートナーにも感謝です。試験は技をかける方と受ける方がペアになって交代で行うのです。1人で参加してるらしき背格好が同じくらいの中学生の中川君にパートナーをお願いしました。大当たり!お年頃なので口数は少ないですが細かいところやコツなどを教えてくれ自主練も嫌がらずに付きあってくれました。受ける側がしっかりきれいに受け身をしなければ技がきれいに見えず技をかける側にも迷惑がかかってしまいます。中川君への感謝を込めてオバちゃんできる限りのいい音を出してしっかり飛びましたよー。後から体中が痛くなり翌日の審査と試合がとても心配になりました。

日曜日審査の日、前日ダラダラしていた専門学校生も朝一番に来てしっかり復習している。さすが若者…やる時はヤル。そしてオバちゃんも中川君と最終チェック、そして審査…みな合格💯 たぶん合格はさほどハードルは高くないのでしょう。でも努力した分とても嬉しいです。形のアドバイスをして頂いた女性の先生や当日講師でいらっしゃっていた先生に後日 「形、完璧でしたよ」と言って頂いたのが何よりも嬉しかったです。久々の達成感でした。

さて次回は残念で情けない試合編です。恥を承知で書かせていただきます。😓

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柔道留学!?

日本に一時帰国致しました!🇯🇵今年は訳あって2ヶ月も滞在できるので念願の講道館デビューをさせていただきました。海外で柔道をする者にとって講道館はいわゆる聖地のような存在なのです。実家が講道館(大阪)に近いと知るやスリランカのチームメイトに大変うらやましがられ、そんな幸運を逃す訳にはいきますまいとばかりに帰国後すぐに入門しました。

そして本日柔道留学初日…日本人の先生に教えてもらえるワクワク(海外の柔道家の多くは日本人の先生に1度は教えてもらいたいと思ってます。)、きれいな畳で練習できるウキウキ、そして自分の技量がどう評価されるのだろうというドキドキで、もう初デートに向かう気分でした。(そう…あれは昭和が終わる頃……😱)

礼法から受身を見ていただき、できてると言っていただき一安心。その後技チェック、大外刈りと諸手背負い投げを見ていただきました。大きく真っすぐ足を振り上げて大きな動作で大外刈り、コンパクトに速くする打ち込みがメインだったので、この初めてのやり方は新鮮でした。気持ちが良かったです。刈る時の足も足首を直角気味でアキレス腱で刈るのではなく爪先を伸ばして流れるように振り下ろすことを教えて頂きました。そして背負い投げ…背負い投げを得意とする人が多い中、実はわたくし大の苦手で、できてると実感できたことが今までありませんでした。がしかし…先生のピンポイントアドバイスで何かをつかめた気がしましたー!あまり前傾になりすぎると相手の胸と私の背中との間に空間ができて相手が崩れない。(背筋はまっすぐ) 反転した時に引き手の方の肩はしっかり開く、顔も斜め45°外方向へ、そうすることによって腰に相手がしっかり乗って投げることが出来るのだそうです。ちょっとやってみたら目から鱗…先生ありがとうござしました!そして今日の先生、強そうだけど優しかったな〜。硬くならずに自由になんでもやってみなさいって言ってくださって時折ピンポイントアドバイス、だいぶ良くなってきましたよ、上手上手、きれいにできてますよ〜と褒めてくださる。褒めれば伸びるおばちゃんなのだ。がんばるぞー!

全くの初心者からここまで教えてくれたスリランカのS先生とB先生にも感謝の念が湧いてきた初日でした。

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きれいな道場…道着や足裏が全く汚れません、感動です!

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背負い投げと洗濯の関係

以前習っていた何事にも豪快なS先生が戻ってきました😱 陸軍は退職されたのですが週に2回嘱託としてもと教えていた連隊を指導することになったそうです。で、前日「マダム!」←呼びかけだけ丁寧、「明日練習来い!」と電話があり行ってきました。

ひや〜久し振りに男子と練習、今まではウオーミングアップの段階ですでにバテていたのに昨日はそこはなんとか切り抜け、一つ一つの練習のポイントを理解しながらついていくことができました。(以前は常に頭が真っ白で終わった後には何も覚えてないという惨状でした。) 相手を引き寄せて相手の自由を制限しておかなければ投げることはできない、確かに…。あと上半身と下半身の両方をうまく使えてない自覚があります。足の運びを気にするあまり崩しが全くできていない。これは毎回毎回反省するところです。

皆を集めて背負い投げの注意点を説明をしている時に先生が「洗濯する時を思い出せ!」はあ??「布を岩に叩きつける時そんな方向からでは力が入らんだろう!それと一緒や!」ええっ?どれと一緒?わからんわからん…周りをチラ見するとチームメイトみんなうなずいています、わかってんだ…。ちょっと考えてピーン💡暑い国の人がよく水辺で岩に布を叩きつけて洗濯してますよね、アレだわ! 在スリ20年といえど流石に水辺で洗濯したことはございません。一度やらなきゃ…ってそうじゃなくて…

最後に軽量級の男子と乱取りです。気を使わなくていいのでやり易いです。(コテンパンにやられてはおりますよ当然…) 完全なパワーの差があるので、思い切って何でも試せる気がするのです。技も一つかけてダメならまた次そしてまた次とかけていく、組んだ瞬間に何か技をかけれるように早くなりたいです。

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S先生の連隊には超人ハルクのような強靭な肉体をもつハプ君がいます。彼がいるとよく木に登ってキングココナツを取ってふるまってくれます😋密かな楽しみです。

 

記念すべき初勝利!

来週試合だから!と急に言われた試合に行ってきました。首都コロンボがある西部州の大会でした。上位2名が州代表として全国大会にいけるそうです。なぜか私の57kg級はいつもエントリーが少なく今回の大会でも3名のみのエントリーでした。どうもスリランカの女子はちっちゃ〜いかデッカ〜いかの両極端のようで中肉中背は少なそうです。ということで大穴57kg級で1勝し2位で全国大会に行くことになりました😓

さて試合ですが前回の初試合は慌てて技をかけ急いでカウンターで自滅だったので、まず相手をじっくり観察することを頭において臨みました。よく覚えていないのですが相手が仕掛けて来たところをカウンターで一本取りました。(もうほとんど偶然です😅) また負けると永遠に勝てないような気がしていたのでうれしいと言うよりも本当にほっとしました。

そして2試合目の決勝戦…始まる前に顔で負けました。めっちゃーくちゃ威圧感のある怖い顔の相手でした。おばちゃん対戦前からすでにビビってしまいました…。試合では組まれた時の圧が尋常ではなく、引いても押しても外れません。どうしたことかと考えているうちに顔から床に落ちていました。無数の星が目の前に飛び散ったのだけは覚えています。軽い脳震盪な感じを覚えましたが “かっこわる”と思ってフラフラを悟られないようになんとか畳の端まで行きました。多分まっすぐ歩いていなかったと思います🤣 先生に決まり手を聞くと袖釣り込み腰で豪快に宙を飛んだようです。あの状況で私は何をすべきだったのかを先生に問うたところ、今の君には「打つ手なし!」だって…やる気なくなるよー。でも相手は全国大会で1位2位を争う空軍の選手なんだそうです。経験、技、力、全てにおいて叶いませんだって…そんな実力者ってこと先に言って欲しかったなあ。1試合目と同じようにちょっと様子を見ているうちにあのザマです。どうせ負けるならなんか仕掛けて積極的負けにしたかったな。

と、こんな感じでたった1勝で全国大会に行くことになってしまいました。星がまた飛び散るのか…唯一の白帯選手、紅一点ならぬ白一点かあ〜、などビビり症が早くも発症。反省会で先生に「日本人はいつも反省ばかり、できたことをもっと素直に喜べ」と言われました、確かに…。それと「48歳で柔道を始めて自分の子供のような年頃の選手たちと戦って地区大会、州大会を経て全国大会に行く、そんなおばちゃんがこの世界に何人おる?幸せな人生やな〜」と先生が言った時は目から鱗、そしてついでに涙が出ました。そうそう今ある全てに感謝しながら日々練習するのみなのですね。

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賞金にはビックリ💰

練習再開しましたあー!

1ヶ月半ぶりに練習が再開しました!爆弾テロの影響で外出もままならない状況から少しずついつもの日常が戻りつつあるようです。(重装備の兵士の方々は引き続き警備をしてくれていますが)

再開したのはいいのですが案の定バテバテです。もう家での自主トレは一体なんだったんだろうと思うほど…スタミナがなさすぎる持久力は家トレではつかないということがよ〜くわかりました😓 もう打ち込みの段階で息が上がってふらっふらっでした。

1週間後に試合があるから出ろとまた急に言うんだよなあ〜先生…なんでー!というと「スリランカはそういうところ」だって、反論の余地なし。試合が近いということで最後に乱取りでした。もうフラッフラでバテバテ中に先生が急に動きを止め「シーッ🤫」って言うんです。小鳥が道場に迷い込んでいました…ちょっと小ぶりなスズメのような鳥でした。「ゲダラクルッラって言うんだよ、とても縁起のいい鳥なんだ」と言ってうれしそう…普通ならこちらも笑顔になって何て穏やかなひと時💕って思うんでしょうが、髪の毛振り乱していつもに増してバテバテな私にはそんな余裕などあるはずもなく…先生、それ今いらん!と心の中でつぶやいてしまいました。学生時代ヘドが出るような練習の最中にしょーもない冗談を言ってチームメイトに怒られたことを思い出しました。当時の彼女の気持ちが今ようやく理解できたわよ。

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こちらではスズメは縁起がいいのか…